るばめばる

反則級みそ味噌

 

 

モクズガニ

その名の通り、ハサミの部分に藻をつけているカニ。親は河川や湖沼で暮らし、秋から冬にかけて産卵するために海に下る。汽水域で繁殖し小ガニになり夏に河川をまた上っていく。ウェステルマン肺吸虫の中間宿主。←生食すると感染する。味は近縁種の中国モクズガニ上海ガニ)にも引けを取らないんだとか。前置きはこのくらいにして、実際に採取してきました。10月下旬で汽水域の岸壁にいました。光を当てて、網ですくうだけ。誰でもできると思います。

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手長エビとかもいました。(今回はスルーしました。)泳がせ用のバケツに入れときました。持ち帰り中に喧嘩して、足が取れたりする恐れがあるので輪ゴムを使い足を固定してから持ち運ぶのがおすすめです

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メスも取れましたが、卵を抱えていたので(これがおいしいのですが、一生懸命にここまでたどり着いたのにとか思っていると持って帰れませんでした。)なので雄だけ回収しました。

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家に帰り、泥抜きなどせずに生きたまま鍋へ。(水から入れました。)最初から最後まで見守っていましたが、残酷でした。それはもう、ゆでガエルの法則ゆでガエル現象とか、ゆでガエル理論とか言われてるんかな。知らんけど意味はカエルを熱湯の中に入れると驚いて飛び出すけど、常温の水からゆっくり熱していくとその温度変化に慣れてきて命の危機に気がつかないうちに気付かないうちに死んでしまうことから、ゆっくりと進行する環境変化に対応することの難しさを戒めるということもあったもんじゃありませんでした死ぬ直前に人間でもあるとされている(まだ証明されていないらしい)仲治り(一時的に元気になる)が…焼き尽くされました。身も蓋もない話になってきましたが、食について改めて思い知らされました。さて、

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立派ですね~。

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甲羅を砕く?というより、つぶしていくのですが、包丁の平を当てて心臓マッサージするみたいに体重をかけてあげると簡単につぶれます

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つぶしたのをがん汁にしました。

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作っている最中に蒸気が出てきましたが、もう蒸気がおいしい。という風に感じました。換気扇が追い付かない!!

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がん汁出来上がり。

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それではいただきます。まずは、みそをぱくり。のおおおおおこおおおおお!!すごく濃厚。海のカニみそとは全く違う味。モクズガニ独特のクセがあるようなみそでした。これは、好き嫌いが分かれそうだなと思いました。例えようと思っても、これはモクズガニの味としか表現できません。

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みそちょいつき身をぱくり。うまい。それよりも出汁がものすっっっっごぉぉぉいんです。みそと味噌が反則級のうまさを作り出しているんです。カニしか入れてないのにこの完成度。素晴らしいなあと感じました。ちょっと、豆知識ですが、カニ類は遊離アミノ酸を多く含んでいますが淡水産のその総量は、海水産より少なく比較的アラニンが多い。アラニンは非必須アミノ酸必須アミノ酸メフリヒトイロバス※人の必須アミノ酸アルギニンを入れるとラット、魚類の必須アミノ酸)で、体内浸透圧の維持、調節に使われているのは、汽水産(ヤマトシジミ)や淡水産(ドブガイ)、は海産の近縁種(ハマグリ)と比べて遊離アミノ酸の含量が低く、浸透圧の維持に遊離アミノ酸が寄与していることが示唆されていることや、淡水産の甲殻類でも同じような傾向があることがその理由。つまり、生体は浸透圧の調節に必須アミノ酸を用いるのを避け、非必須アミノ酸およびタンパク質を構成しないアミノ酸を用いているということ。←アミノ酸が浸透圧調整にも使われていることに驚き。ただそれだけです。

 

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脚は油で素揚げにして、とりあえず一本ぱくり。

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バリっバッリ!!

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塩も何もかけていないのに香ばしくてうまい。殻ごと問題なく行けました。そして、ちょっと思いついたので、こうしてやるうううう!!

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粉塵!!殻が宙を飛んで目に入ったら危ないので保護メバル……ではなくて、保護メガネを着用!!

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味噌も混ぜてぱくり。うん、成功!!殻は比較的軟らかい、甲羅の裏側やハサミ以外の脚を使うといいと思います。殻にはキトサン・キチンが含まれており、免疫力向上!!最強じゃんこれ。(味的にも)ということで

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じゃん!!もう、間違いないね。

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これ、食べ方があることに気づいたのでそれも書き留めておきます。

食べてすぐかまずに(前歯に殻が当たる可能性あり)風味を十分楽しんだ後、奥歯があるほうに舌をつかって移動させます。それからゆっっくりと圧縮するようなイメージで食べていきます。と、その前に画像だと上にのっけていますが、これかきまぜたほうがいいですわ。なぜかというと、殻の周りに米をへばりつけさせることによって衝撃吸収の役割を果たしてくれるからです。そのような食べ方が発見した中ではいいかなと。人それぞれだと思うんで参考までにしてください。でも、うまいのは確かです。

そもそも、なぜ殻なんか食べようと思ったのかというと生きたまま鍋に入れ、始終が忘れられないから、殻も食べないと失礼にあたるのでは……と感じさせられたからです。でも、そのおかげでまた新たなものを発見できたのでよかったです

                               おわり

 

 

 

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