るばめばる

真紅の鎧を纏っている魚

 キントキダイ

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下あごが前に出ていて、目が大きく、名前の由来は目の大きさから来たんだとか。確かにこうしてみると、メバル並みに目が大きいですね。角度によっては、目が金色や赤く見えたりします。なので、地方によっては”アカメ”(長崎県)と呼ばれているらしい。(4日ほど水槽で飼っていましたが確かに目の色が違って見えました。左目がちょっといかれてましたが…釣ったときの水圧かと…)

豆知識を飛ばす

魚の目といえば、基本構造は哺乳類と同様、角膜、眼房水(房水)、水晶体、網膜、硝子体からなっていますが、人は角膜で屈折全体の2/3で残り1/3は水晶体で屈折しています。一方魚は角膜での屈折がなくすべて水晶体に任せています。なので、人の水晶体を真っ二つに切ると、断面図は楕円をしていて、魚は円になっており、水晶体が比較的大きいです。このことから、魚は単眼視野の守備範囲は広いですが(なのでなるべくヤスで魚をつくときも死角から攻めていくのがいいとされています)両眼視野が狭く遠近感が人間より感じる領域が狭いです。魚類(鳥類以下)の明暗順応で起こる主な反応(錐体と桿体の移動による反応)は網膜運動反応とも呼ばれており、数分から数十分もかかります。暗所視は、行動実験、電気生理学実験等で検出されており、多くの魚は、10^⁻⁴~10^⁻⁵lux程度の感度を持っています。ちなみに、月夜が10^⁻¹~10^⁻²程度です。めっちゃちなみになんですが、仔魚がプランクトンの視認に利用する短波長の視細胞の種類は紫外線・紫(SWS1)ということが分かってきているみたいです。だから、釣り具とかでもケイムラ塗装されてる仕掛けとかあるんだなあと。

           それはさておき

釣ったときにおそらく水圧に耐えられずに左目が飛び出ていたのもあったのか4日目でキントキダイが亡くなりました。f:id:rubamebaru:20181027093612j:plainこんな感じで角度によっては金色に見えるんです。(死んだすぐ直後)そのまま捨てるのはキントキダイに失礼なので調理していきました。f:id:rubamebaru:20181027093023j:plain

めっちゃ目が飛び出てるなあ。

f:id:rubamebaru:20181027094524j:plainそんなことはお構いなしに捌いていきます。っってあっっっれえぇぇぇぇえええ!!歯がたたん!!なんですかこれは?鎧ですか?急遽作戦変更。うろこは取らずおろしていく。

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肝をとりあえず生でいただく。

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ぱくり。濃厚ででサクサクサク。なんじゃこの食感はあああ。そして、濃厚。

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 次は、刺身を作っていきます。

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塩を付けてぱくり。ん、あまり味が…(噛む、噛む…)おおお!キントキダイの甘味こんにちは。というような、甘味は噛んでいきなり出てこず後々になってじんわりと甘味が出てきました。

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残りは昆布締めしてみたり、(めっちゃ少量ですが)

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 空気をできるだけ抜いてf:id:rubamebaru:20181027100405j:plain

 カス床に入れて粕漬にしてみたり、(身に透明感があってきれいだな。)

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 撮影した後潜らせました。次の日、

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強火の遠火で行きたいところですが安全装置があるので、中火の中火(駄洒落ではないですよ。)で粕漬けを焼き、

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 完成。

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 ぱくり。瞬間、ほっぺたがおちそうでした。酒粕の風味がプラスされて、もっとほおばって食べたいものです。

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 昆布締めも

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 醤油をつけたり、自分はしょうゆをつける派みたいです。刺身より旨味が早く伝わってきました。昆布が引き出してくれているからなのでしょうか…

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 保存していたあらで

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 出汁を取りf:id:rubamebaru:20181027102717j:plain

 完成。

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 黄色いのはいつの間にか追熟していたすだちの皮です。ぱくり。うっわうまい。キントキダイの甘味にすだちのさわやかな香り。あ~至福ぅうぅぅう。お出汁もあらでとっているので旨味の塊がもう口いっぱいに広がっていきます。たまりません。

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 だしを取った後のあらは骨せんべいに

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 すだちの皮と塩で天塩も作ってみよう…

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 完成。

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 ぱくり。カリカリしていてすだちの皮であっさりと。いくらでもいけそう。

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すだちをしぼって(※皮を下にするとすだち汁が皮を伝っていき香りが倍増するように感じます。なのでレモンとかも皮を下にして絞るのがおすすめです。)

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ばくり。ばりばり食べれます。すごくおいしい。

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人参も甘く、

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お吸い物に使った昆布も揚げてしまいましたが、これがまた美味い。

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ごちそうさまでした。

実際に調理してみて、キントキダイは真紅の鎧を纏っているんだなと思いました。

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なので、とりあえず干してみたりしてその鎧を何かに使えないかな…と思っているのです。

                                おわり

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