るばめばる

くっついたら、はなさない。

柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺 正岡子規

↑俳句の代名詞といっても過言ではなく、季語はいっちゃん最初の柿。そんな秋の代表を採取してみました。といってもすごく高いところにあるので、これを使ってみました。

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コンパクトロッドとズボン用のハンガー?知らんけど。なんか使えそうだなと。それに鞄に入るサイズだったので。今回の作戦は、この二つをくっつけてCのところでひっかけて落とす。

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装着。。。。。。。。。あ、ミスった。反対だった。

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これで良しと。それでは、ひっかけていこうと思います。

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揺らしてみると、完熟しているのだとほとんど触れたくらいですぐ落ちます。完熟していないのは全くびくともしませんでした。(なので、完熟したのだけ狙いました。)

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ゲット。これ地面に落ちる前にキャッチしないとつぶれてしまうので結構難しかったです。f:id:rubamebaru:20181120210658j:plain完熟してる柿は、それがたとえ渋柿であろうが普通に食えました。(これと同じ木の完熟してない柿をかじってみたらしっぶいしっぶい。完熟してる柿は上品な甘さでできたゼリー。今までは、柿?別にいらね。とか、毛嫌いしてましたが、最近の若いもんは柿食わんのうとかよく耳にするのでそれに対抗して?食べてみようかなと。もう今になると以下略)しっぶいしっぶい。で思い出しましたが、柿の渋みは舌の粘膜(粘膜ならどこでも反応するので、口の周りから消化管まで。)のタンパク質と柿タンニンがくっついた時の感覚です。

↓実験中に渋戻り(過熱したらまた渋くなってきた)したのでチーズ(タンパク質)

と食べれば緩和された。ほかにも、牛乳とかでもおk。

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皮革などを腐りにくく柔らかくするために、古くからこのタンニンを使って鞣し「なめし」という工程を踏んでいたそうですが、渋みは、この皮革同様、舌がタンニンでなめされている状態を我々人間が渋みと感じているので、酸味や甘味などのいわゆる味とは違います。ちなみに、渋柿を食べるとまずというより電光石火如く甘味を感じて、そのあとにめちゃくちゃ強烈な渋みを感じました。どうしてなのかなと調べてみると、どうやら甘味などの味覚と渋みの感じる速度が違うみたいです。甘味などの時は、舌の味蕾細胞(味蕾細胞といったら体の全表皮の90%が味蕾で覆われているナマズですが、今回はさておき)が味の成分である糖を感知して、神経へダイレクトアタック。だから、電光石火のように味を感じます。一方で、渋みは、まず柿タンニンが舌(に限ったことではありませんが)の粘膜と反応してから、一呼吸おいて感じるので少し遅れるみたいです。

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さっきのとは違う木。ほんまにいろいろあるなあ。竿なんて使わなくても採取できました。葉も落ちて、これぞ鈴なり!でしょうか。色が薄い(触ると固い)のは渋く、濃い(触るとぷにょん)ほうは上品な甘さでした。やはり、渋柿でも完熟すると普通に食べれるなあと。でも、スーパーとかで見ないのは(もちろん完熟「ぷにょん」したほう)、痛むのが早いからなのかもしれません。ということは、ぷにょんはとれたてオンリー?まあいいや

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これは、「ご自由にお取りください。」と書かれてたやつ。

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お持ち帰りして、干し柿に。

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紐を用意して、

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結んで

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 熱湯へ(カビ防止のため。←熱湯のほかにも遠赤外線による乾燥や、有名なあんぽ柿を作るときに、硫黄無燻蒸の低温除湿乾燥、減圧乾燥装置を用いた乾燥などいろいろあるみたいですが

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5秒くらい入れておきました。

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 なんかでた。

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 干す。昨年、外で干すとなんかうまくいかなかったので部屋で。太陽にあたらせなくてもいいみたいです。(太陽に当てると表面が早く乾きかびにくくなるが、変色しやすくなる欠点も。まあ自分で食べるようなので関係ありませんが。)カビは対策したのでおkでしょう。食べるのはもちろん楽しみですが、作る工程、変化を見る楽しみ。(いやでも朝起きて変化を観ることになります。)

余った皮ですが、

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さっとゆながら、その間にほぼ二倍酢調合。(まあ目分量ですので)

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完成↓

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柿皮のゆで二倍酢。

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いただきます。

口に入れた瞬間、二倍酢と柿皮が合戦状態。なんじゃこりゃ。柿がほぼ二倍酢に自ら弾丸となって戦ってばかり。そのまま(二倍酢なし)でいいと思いました。渋みもところどころ残ってました。なので、皮も同様、

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干しちまえと。(すでに時間が経過したものです。干し始めも撮っとたはずなんですがどこにいったのかさっぱり。行方不明みたいです。)

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毎度恒例、小規模油へぽーーーーーん!!

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新聞で余分な油を落として、柿皮チップス。

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遊びながら盛り付け

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盛り付け同時につまんでたべる。と、うまうまのうま。ゆでるよりこっちでした。柿皮チップスって名付けて売れんかなぁとか勝手に思いながら。

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干し柿はというと、1.5週間でこのくらい。軟らかくておいしそうなので

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ほんわか甘い。干し柿(半生)もいいですが、完熟(ぷにょん)のほうが自分は好きでした。といっても柿の種類が違っただけかもしれませんが。干し柿はこうやって食べるとおいしかったどす。

↑完全に趣味も入っているので興味がある方だけぽちっと

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また、このような平たい柿は比較的渋くなく、熟(ぷにょん)していなくてもそのまま食べれるのだなあとある程度の渋柿とそのままでも大丈夫な柿の区別ができるようになりました。狐のようなとんがった柿は比較的渋柿の可能性が高いかなと。いろんな柿をかじっての経験則なんで全く信用ならんのですが。

 

~柿のいろいろ~

柿にはとにかく、くっつくという性質(凝集効果)があるみたいです。有名なのが清酒作りで、コメを発酵させて作る日本酒は最初、白濁した液体ができ、この濁り酒(君の名は で出てきた口噛み酒?)を永らく飲んできたそうです。が、ここに柿渋を入れてやると、濁り成分が柿渋に逮捕され、凝集し沈殿します。これを濾すと透明な清酒ができたり。

ほかにも、やけどに塗ったり、漆塗りの下地にも使ったり…しまいには、先頭で書いたタンパク質とくっつくということから小麦粉のタンパク質とくっつかせ麺のコシを強くさせたり(商品化されてる)と調べるときりがありませんでした。今度は、青い柿から採取して柿渋でも作ってみようかと思うのでありました。製麺機買って麺作りも楽しそうですね。そんなこんなで柿に対する自分なりに新しい?面白い?知見を手にすることができ、楽しかったです。

 

参考:濱崎貞弘著、柿づくし  他

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