二寸程のお皿
ヨメノサラ
目次
磯の隅っこのほうで、それもまっくろくろすけが好きそうなところを好んでひっそりとくらしている嫁の皿(ヨメノサラ)
嫁の皿のイメージ
年間を通してだいたいいるようなイメージがあり、いつが旬なのかはさっぱりわかりません。ただ、夏は少し直射日光などで少ない気がする。市場に流通するほど漁獲量も多くないみたいなので、個人レベル、地域レベルで消費するくらい。今の時代調べたらいくらでも情報出てくるので嫁の皿をもっと知りたい!!!!って言う人はググってみるのもいいかもしれません。
ということで相変わらずチャリンコでやってきました。(ここはまだ途中だけど)
車だと橋代が結構するのと、実家からだと運動がてらにちょうどいい距離なのです。
持ち物
持ち物はバケツ、マイナスドライバー(カギノミでもいいですが、経験上相手をはがしさえすればいいだけのことなのと隙間に潜んでいるので小さなマイナスドライバーの方が有利な気がします。チャリンコだと、なおさら持ち運び重視という点も)、カギノミはいろんな種類がありますがこんな感じです。長く、てこが使えるのでカメノテとかに使ってます。
トンカチ(力持ちの人は必要ないかも)、滑り止め手袋(なかったら軍手でも可)以上の4点あればとりあえずおkです。潮は干潮です。
他にあったら便利(ケガ防止)なのはマリンブーツ
登山で使う軽アイゼンなんかは滑り止めに…使えそう。だけど歯が潰れそうなので一回しか使ったことありません。
短時間ならマリンシューズなんかでも
さて、準備はそれくらいに。
いざ、採取へ
ポイントについたら、てくてくと岩場を目指します。すると、牡蠣を発見しました。
マイナスドライバーとトンカチでとっておきます。こういう時にやっぱりトンカチは便利だなと感じます。
手のひらサイズでした。バケツに入れようとした時に黄緑色のナスが落ちていました。釣りをしていて岩にすれておもりがロストしたのでしょうか?海にあってもゴミになるだけなので回収しときます。(釣りで使おう)
こんなデコレーション釣り針なんかも
漂流物ネタとしてはこんなものまで漂流してるの?というくらい興味深い品が落ちていますが今回はこんなの落ちていました。
フジツボや
カメノテなんかは今回はスルー。カメノテは珍味とされているみたいですが、珍味ってあくまで珍味で味はそんなに…とかよくありますが、カメノテは珍味でも味はうまいです。カメノテは採るのが、なんかむしり取るというかなんかかわいそうになってきます。一般的な食べ方は塩ゆでして硬い皮膚状なのを破いて身を食べる感じです。エビやカニの味とかはよく聞いたことあると思うので、磯の風味が鼻をすーーーーっとすり抜けていくのがたまりません。(という表現にしておく)
冬の牡蠣はまじでうまい。
これ採るの失敗したので
その場でいただこうと思います。レモンを絞って
いただきます。
つるんと喉をつたっていきます。さすが海のミルクというのでしょうか!
嫁の皿まだーー?
という声が聞こえそうなので登場させます。
比較的平らな部分によくいます。凸凹しているところであまり見かけたことはありません。緑の丸で囲んだ口の部分にある歯舌で岩にこびりついている微細藻類をこそげとって食べます。
ひじきも生えていました。
3本くらいいただきました。
ちなみにひじきが黒いのは煮込む時にいっしょに釘を入れてるからなんだとか。実際、爺ちゃんがひじきをとって鉄釘と一緒に煮込んで天日に干して農協に売ったりしていて教えてくれました。で、天日干しの最中に風で飛んだり…するんだって。はい。ひじき以外にも、黒豆とかも鉄釘入れてるみたいですね。ひじきはそのまま煮込むとだとあとで現地調理の写真もありますが緑化します。こんな面白い形をしたのも…カサガイの仲間かな?
こっちが裏で↓(裏のオレンジ色はヒザラガイ←後で写真貼ります。に似てるなあ)
こっちが表↓
これが下処理結構かかるヒザラガイ。穴釣りとかでテトラとかそのへんに良く出くわす。いるのはいるけど、スルーされることがほとんど。ダンゴムシみたいで岩から剥がしてやりしばらくすると丸まります。
ちなみにこんな感じで丸まります。(丸くなる貝って、特殊能力持ちだな)
移動するときはなるべくこのような薄いヘドロで濡れて覆われていて足の裏とこんにちは。した瞬間に滑りそうなのはできるだけ避けて
乾いているところを通りましょう。つるっと転んじゃいます。濡れてるところしかない場合は小さなベントス(底生生物、フジツボとか)がこびりついているところを歩くとそれが滑り止めの役割を果たしてくれます。
そうそう、磯ならではの注意点といえばこれ。干潮でフジツボなどと戯れていて気がついたら一人取り残されて辺りを見回すと幻の島にいつの間にかいることになっている。(このくらいならまだいいけど)シャレにならなくなる前に時間も気にしつつ戯れたいところ。
八手人手(ヤツデヒトデ)って漢字で表記するとなんだか諺的だなあって思う。
植物のヤツデにそっくりな形のヤツデヒトデもいました。
普通はこんな形。ヒトデの腕が1~2本多かったり少なかったりするのは案外ザラ。再生能力が高いので腕は安全なときにできるだけ増やしたほうが有利になるかもしれません。
潮も満ちてきたしそろそろ遊びも終わりにして帰る途中に死んだ魚の目をしているのを発見!!
な
ん
だ
こ
れ
!
!
こわい、こわい、こわい、こわい。これが死んだ魚の目というものなのか!!ゴンズイが隙間に挟まって身動きできずに餓死でもしたのか…だとしたらマヌケすぎない?とりあえず死体を救出してみる。ぷーんと臭う刺激臭。うぇえええええ。くっせえええ。
見事にお腹に穴が空いていた。どうしてこうなったんだろう?意味不明。アーメン。
採取場所で調理
そんなこともありながらチャリンコのところまで戻り嫁の皿とひじきの汚れを海水でとっておきます。
セッティング完了。(1/3海水)
沸かしてるあいだに牡蠣の殻むきをしていきます。刃こぼれしない頑丈なナイフ(または刃こぼれしてもいい捨てナイフ)等、今回はサバイバルナイフ使いました。刃を殻に入れて
一旦中身をチラ見して(貝柱の位置確認。位置はある程度固定されているけど心配な方はチラ見おすすめ)
貝柱の切断。あとは、てこの原理でパカっと開きます。
レモンも切って絞る。と同時に湧いたのでひじき投入。(こんな感じに一瞬で緑化します。)
途中だった生牡蠣レモンを食べて←冬の楽しみの一つ
景色もご馳走様です。その後は、ひじきをさっと茹でたのをいただく。
オナジマイマイ思い出す。けど旨みははるかに嫁の皿の方が上。
サザエの緑色の部分よりは苦くなかったので食べやすかったです。
とても肉厚。
サバイバルナイフは錆び防止に真水でさらっと洗っておいた
家に帰ってから調理
半日塩水につけておきました。
汚れを落として
オンザカッティングボード
下処理にこの中では比較的時間がかかるヒザラガイからさばいていこうと思います。まず、隙間に包丁を入れて返してやると隙間が大きくなり
隙間が少し空いたサイドからさらに包丁をいれテコの要領で返してやるとあとは手でパカっと取れます。
するとこんな感じにのっぺらぼうになります。
次はサイドです。これはゆでたあとのカメノテの腕の部分のような肌触りです。
包丁の背を使いこそげ落としてやります。
するとこんな感じに。(包丁そろそろ研いどくか…)
味見してみます。
ものすんごい歯ごたえ。嫁の皿より弾力がありました。
お次は嫁の皿ですが、牡蠣は中央くらいに貝柱がありますが嫁の皿などの傘外の仲間は外側に貝柱的ないわゆる自身と殻をくっつける役割があります。下の画像では黒い周りに白い帯状なのがそれです。
なのでそれを切るというより外すイメージで包丁を入れていきました。裏返すとこんな感じになります。黒い宝石みたいで綺麗です。
嫁の皿も味見しましたがヒザラガイよりほど弾力がないのでこのくらいが生だとちょうどいいです。
ひじきは軽く茹で色止めさせておいて
オリーブオイルで焼いてみると内蔵の水分が抜けて若干スリムに
嫁の皿とひじきカナッペの3/5チーズのせにヒザラガイの煮付けカナッペあり 完成です。(テーマ長すぎ!!)
もはやネタみたいになってしまいましたが、作るのも楽しかったのでよかったです。家族にもあげました。なかでもヒザラガイのカナッペの食感のハーモニーがなかなかでした。(上の画像は嫁の皿だけど)干したりしてみるのも面白そうなのでやってみようかな。