るばめばる

浮桟橋の裏側

睦月にハゼつき

浮桟橋で釣りをしている人なら一度は思ったことあると思うのが「浮桟橋の裏側ってどうなっているの?」。夜とか浮桟橋の裏側から忍者のごとく、ふっと現れて自分の顔の数倍もの口を開き針がかかった餌に食らいつく。食らいついた瞬間かすかな当たりを柳のようなしなやかな竿先で感じテンションをゆっくり張りつつ対象にバレないように針にかかっていることを確認して手首を返す程度の合わせで走り出すめばる。そんなめばるは(ときにガシラ、ときにアイナメ)浮桟橋の裏っかわに一目散に逃げる。ドラグを緩めすぎていたり反応がちょっと遅かったりすると浮桟橋の裏の根にエラを立てて入られる。そのような経験を幾度となくするうちに「浮桟橋の裏側ってどうなっているの?」と岸から見るだけでは物足りなく感じるようになり実際に潜って確認したい思いがエスカレートしていき潜ってみた。だけど水中カメラ持っていないので書き書きの表現で終わってしまいますが…

装備して観察してきます。桟橋はフェリーなどの旅客船などの船などの駅みたいなものなのでそのような用途にもう使われていないような古い桟橋を調べ選んで潜りました。

2~3m潜ると念願の桟橋の裏側を見ることができました。裏側の塀の部分を手で持って体を固定します。

そこには、藻類がびっしりと生えていて魚が全くいませんでした。イソギンチャクもちらほら。(今回潜ったのが1月なので、時期や場所も問題あると思うんですがこの桟橋は本当に魚が何も見あたりませんでした。海が懸濁しているのも関係があるのかもしれませんが)

桟橋の裏側をとりあえず観察し終え目的は達成されたので持参した3本モリで魚をついてみることに挑戦。

相変わらず入り始めはフローズンスライムに包まれますが泳ぎ始めるとホットチョコレートに包まれるような感じになります。(ウェットスーツ5mm)

下はヘドロがちょっと混じったくらいの砂地で手のひらほどの石がころころと。たまになまこの排泄物であるケチャップをホットドッグやアメリカンドッグにかけた時のケチャップの赤色が鼠色になっているのがあります。海の中だとパッチンパッチンいう耳に飼っているマイマイの殻を響かせてくるような衝撃がありました。スクリュー音かテッポウエビの指パッチン説があるみたいです。

しっかし突ける魚が全く見当たらない。もう桟橋の裏見れただけでいっかと思って陸にめがけて泳ぎだした時に何やら黒い輪っかが…潜水して確認してみるとタイヤだった。はぐってみると擬態しているつもりだろうが輪郭は浮き彫りになっているハゼがいた。寒いせいか活性が下がっているようだ。一旦浮上し、息を整えて死角となる背後から今だ!と思う瞬間に握っていた竹を放す。命中したあとハゼは体をくねらせる。

この1匹だけでもう満足したので帰ることにした。

帰りしなにいつまでこの景色が眺めるのかなと思いつつ、浮桟橋にしろ船にしろ浮力ってものすごい力持ちなんだなと改めて感じました。

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